嶋田漁業部

北海道の網走湖ってどんなところ? 現役漁師がシーズンごとの魅力を紹介しちゃいます

2022.03.28

網走湖 北海道の網走湖ってどんなところ? 現役漁師がシーズンごとの魅力を紹介しちゃいます

約1万年前まで海の一部だった網走湖は、1958年(昭和33年)に国立公園に準ずる国定公園に指定されました。実は網走湖は、暑寒別天売焼尻に続く道内で2番目の歴史を持つ由緒ある湖なんです。

周囲39.2㎞の網走湖は、季節によってさまざまな魅力や楽しみ方があります。カヌー、ボート、わかさぎ釣りなどのアクティビティをはじめ、海水と真水がまざりあう珍しい「汽水湖」であることから、しじみ、シラウオ、スジエビなどの美味しい水産資源が豊富です。オオハクチョウやアオサギといった野鳥の群れも圧巻に一言。

ちなみに僕は網走湖のしじみは世界一だと思っています!365日しじみのことばかり考えているしじみバカがいうんだから間違いない(笑)

しじみ漁師が自慢したい、網走湖の素晴らしさ。今回はその魅力の一部をみなさんにお伝えしたいなと思います。

網走湖の春はアオサギとしじみ

走湖の春はアオサギとしじみ

3月の流氷が去ると、生命の息吹が網走湖の自然を満たします。湖畔にはミズバショウなどの野草が百花繚乱に咲き乱れ、春たけなわの美しい景観に。美しい自然林は、日本でも指折りのアオサギの営巣地です。

そしてなんといっても、春はしじみの第一シーズン!まだ冷たさの残る春風を身体いっぱいに受けながら、僕たち漁師はボートを駆りだします。極寒の網走の冬を生き延びたしじみは、身がぎゅぎゅっと締まっていて、強い甘味があります。網走湖のしじみでしか味わえない食べ応えです。

網走湖の夏はキャンプ、シラウオ、そしてやっぱりしじみ!

網走湖の夏はキャンプ、シラウオ、そしてやっぱりしじみ!

草木や山の緑が力強く色づく夏は、網走湖が一年の中で最もエネルギーに溢れるシーズン。湖畔でキャンプを楽しむ家族や、湖にカヌーやボートを浮かべてアクティビティを満喫している人々の光景は、網走湖の風物詩です。

夏の終わり頃には、シラウオ漁がはじまります。新鮮であればあるほど身体が透き通って美しいシラウオは非常に繊細で、なかなか市場に出回らない貴重な魚です。近年では網走湖でも獲れにくくなっていますが、機会があればぜひ獲れたて新鮮のシラウオを食べてみてくださいね。

そしてそして……網走湖の夏は、これまたしじみのシーズンとなっています(笑)

7~8月のしじみはちょうど産卵期を迎えているため、養分がたっぷり。旨味が非常に濃厚で、食感も抜群。網走湖のしじみのなかでも極上品なんです!このシーズンに網走湖のしじみを一度食べたなら、もう病みつきになってしまうかも?

網走湖の秋を告げる紅葉とスジエビ

網走湖の秋を告げる紅葉とスジエビ

色とりどりの紅葉が網走湖の錦を飾る秋。燃えるような赤に染まった夕暮れどきの野山は、網走湖をよく知る地元民でさえも思わず息をのんでしまいます。

賑わいだ夏が過ぎると、少しだけ網走湖にも寂しさを感じてしまう秋の季節ですが、この時期にも網走湖の風物詩があります。それがスジエビ(カワエビ)。小ぶりな身に、“エビエビしい”味がぎっしり詰まっているのがスジエビの特徴です。塩水でボイルして食べるとたまらない!

近年では漁獲量が減少傾向にありますが、それでも網走湖の秋を象徴する魅力ある資源です。このシーズンに訪れた際は、ぜひご賞味あれ。

網走湖の冬はダイナミックな季節!?

網走湖の冬はダイナミックな季節!?

北海道オホーツク地方にもやがて冬がやってきます。氷に閉ざされた一面の湖は、まるで別世界。網走湖のもうひとつの顔がそこにはあります。

冬のシーズン、漁師の愛馬はすでにボートではありません。カラフルなウェアをまとった僕たちはスノーモービルを駆り、肺まで凍ってしまいそうな冷たい空気を胸いっぱいに吸い込みながら、分厚い氷の下に潜んでいるエモノを探します。その手にはチェーンソー。これが網走湖の冬を告げる風物詩です。そう、冬はワカサギシーズンの到来なんです。

網走湖の冬はダイナミックな季節!?

観光で冬の網走湖に来るのもオツなものですよ。ロケーションも申し分ありません。ぜひワカサギ釣りを楽しんでみてください。

網走湖の冬はダイナミックな季節!?
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