飲み過ぎた翌日に飲むしじみ汁は、どうしてあんなに美味しいのでしょうか。思わず「あ~沁みる!」と言ってしまいますよね。しじみ汁が美味しいのは、しじみには旨味成分がたっぷりだからです。いつ誰が飲んでも美味しいのは間違いありません。
でもそれはそれとして、おそらくみなさんが気になっているのは、「二日酔いにはしじみがいい」といわれる理由だと思います。なぜなのでしょうね。科学的に断定することはできませんが、一説ではしじみに豊富に含まれている「オルニチン」という成分が関係していると考えられています。
じゃあ、オルニチンって一体……? 詳しくみていきましょう。
しじみが豊富に含む栄養成分オルニチンとは
主に肝臓で作用するといわれるオルニチンは、「遊離アミノ酸」の一種として知られています。チーズやマグロにも含まれているのですが微量で、身近な食材の中ではしじみが一番多くオルニチンを含んでいます。
オルニチンは血液に溶け込み、体中に運ばれていき、やがて肝臓にたどり着くと、「オルニチンサイクル(尿素回路)」という場所で、有害物質のアンモニアを解毒。非常に重要な役割を担っているのです。
ちなみにしじみを冷凍するとオルニチンの量が7倍・8倍になるという研究報告があります。
とはいえオルニチンに関する研究はまだまだわからないことばかり。オルニチンの効能に関しては、今後の進展を待たなければなりません。しじみを愛するしじみバカとして、僕も見守っていきたいと思います。
オルニチンに期待されている効果
オルニチンの研究を通じて「こんな効果があるのではないか」と期待されているいくつかの効果を紹介したいと思います。
新陳代謝の活性効果 | 成長ホルモンの分泌を促す働きをもつオルニチンには、筋肉や骨をつくり、肌の代謝をサポートする効果があるといわれています。 |
疲労回復効果 | 体内にアンモニアが蓄積すると疲労感が増すといわれています。オルニチンサイクル(尿素回路)でアンモニア分解するオルニチンが活発になれば、疲労回復に貢献する可能性があります。他にも睡眠改善・ストレス軽減効果にも関係しているという研究があります。 |
肝臓機能の向上効果 | ある実験では、オルニチンを習慣的に摂取した人の肝機能が高まっていることが確認されました。あくまで一つの実験に過ぎませんが、オルニチンの可能性が拡がる話ですね。 |
数ある食品の中でも、オルニチンを多く含んでいる食材がしじみです。しじみ好きとしては、見逃せませんね~!
ちなみに、オルニチンの研究報告をまとめたり考察したりしているサイト「オルニチン研究会」がなかなかユニーク。気になる方はぜひ読んでみてください。