魚を絶品にするフライパンでの焼き方をプロが伝授

焼き魚といえば、タンパク質が豊富で体に良く、白いご飯とも相性抜群!

健康的な食材で家庭で積極的に取り入れたいけれども、グリルの後片付けを考えると面倒、そもそもグリルがないご家庭が多いのではないでしょうか。

実は魚は、グリルがなくてもフライパンでも美味しく焼けます!フライパンで焼くと、片付けもラクな上に、ヘルシーなおかずが簡単に食卓に並べることができます。

今回は、150年以上の歴史を誇る水産物商「マルチュウスマイル」が、フライパンを使って魚を絶品に焼き上げる方法を紹介します。

また魚の種類ごとに美味しく焼ける秘訣を紹介するので日々の献立にお役立てください、

【基本】魚を絶品にするフライパンでの焼き方

魚を焼くにはグリルを使うイメージがあるかもしれませんが、フライパンでも十分美味しく焼くことができます。

フライパンで魚を焼く際の、美味しく仕上げるポイントを6つお伝えします。

1、塩は10分〜15分前に振る

魚を焼く10分〜15分前に塩を振りましょう。

塩を振り寝かせることで、魚にしっかりと下味がつく、臭みが和らぐ、身が引き締まって崩れにくくなる、といった効果があり、美味しい焼き魚に仕上がります。

この際、魚の表面に染み出た水分をそのままにすると臭みの原因になってしまいます。キッチンペーパー等でよく拭き取ってから焼くようにしてくださいね。

2、クッキングシートを敷いて温めておく

魚を焼き始める前に、クッキングシートを敷いた状態でフライパンを温めておきます。

そして油を使わず、クッキングシートの上で魚を焼きましょう。

こうすることで魚の皮がシートにくっつきにくくなり、見た目がきれいに焼き上がります。

このとき、コンロの火がクッキングシートに燃え移ることのないよう注意してください。シートをフライパンのサイズに合わせて折ったり、切ったりするとよいでしょう。

3、表になる面から焼き始める

最初に焼く面にはきれいな焼き色が付くので、盛り付けたときに表になる面から魚を焼き始めましょう。

フライパンに並べたらその後はあまり動かさずに、中火でじっくり焼いてください。

こうすることでこんがりと香ばしい焼き目を付けることができますよ。

4、表6割・裏4割の焼き加減

蓋をせずに表面を6割焼き、裏返してから蓋をして4割蒸し焼きにします。

こうすることで裏返す作業が一度で済みます。何度も裏返すことによって起こってしまう身崩れを防ぐことができるのです。

裏返すタイミングの目安は、魚の側面が白くなってきた頃です。

魚は火が通ると崩れやすくなるので、必要以上に触らないようにしましょう。また裏返すときはフライ返しを使えば失敗が少ないのでおすすめですよ。

5、染み出た脂は拭き取る

どんな魚も焼くと脂が染み出てきます。脂は臭みの原因にもなるので拭き取るようにしましょう。

さんま、マグロ、ブリなど脂の乗った魚は、焼いている途中でとくに脂が出てきます。

余分な脂は、キッチンペーパー等で拭き取りながら焼きましょう。

6、最後に水分を飛ばす

魚全体に火が通ったら、フライパンの蓋を外して皮目を焼き、もう一度表面と裏面を焼いて、水分を飛ばすように焼き上げます。

こうすることで、外はパリッと、中はふっくら美味しく仕上げることができます。

魚の種類別にフライパンでの焼き方を紹介

フライパンで魚を美味しく焼く基本的なポイントが分かったところで、続いては魚の種類別の焼き方を紹介します。

切り身や干物の焼き方だけでなく、丸ごと焼く方法や、西京漬けの焼き方などもお伝えします。

今後の食卓の参考にしてみてはいかがでしょうか。

鮭(切り身)

鮭は、盛り付けたときに表になる面から焼き始めます。

フライパンの上に直接乗せる場合は油を引き、アルミホイルやクッキングシートを敷く場合はそのまま乗せて焼きます。

裏返したら蓋をして蒸し焼きにしましょう。こうすることでしっとりとした美味しい焼き上がりになります。

鯖(切り身)

鯖は、皮面に浅く2㎝幅の切れ目を入れてから塩を振り、下ごしらえします。

切れ目を入れることで、身が厚い鯖も火が通りやすくなるうえに、身が縮むのを防くことができます。

また皮目から焼き始めることで、皮がパリッとした仕上がりになります。

ブリ(切り身)

照り焼きにしても美味しいですが、脂の乗ったブリは塩焼きにすると旨味が出て絶品です。

そこで今回は塩焼きの焼き方を紹介します。

ブリは少しクセがあるので、塩と料理酒を振り、15分程冷蔵庫で寝かせて臭みを和らげましょう。

そして両面にしっかりと焦げ目を付けながら焼くと、香ばしくジューシーな味わいに仕上がります。

たら(切り身)

たらは、ペーパータオル等で水気を拭き取り、両面に塩を振り下ごしらえします。フライパンにサラダ油を中火で熱し、皮目を下にして焼き色が付くまで焼きます。

焼き色が付いたら裏返し、酒を回し入れて蓋をし、3分程度焼きましょう。

そして蓋を開け、水分がなくなるまで加熱します。

たらは脂質が少ないので、酒で蒸し焼きにすることでふっくらと美味しく焼き上がります。

さんま(丸ごと)

さんまは細長いので、半分に切ってからフライパンで焼きましょう。

塩を全体に振り、弱めの中火でじっくり焼きます。

皮が剥がれやすいので、フライパンに並べたらなるべく動かさないよう注意してください。

焼き目が付いたらやさしく裏返します。

弱めの火力でじっくり焼くことで、皮がパリパリになり美味しく仕上がります。

イワシ(丸ごと)

イワシは塩を振りそのまま焼くこともできますが、以下の下処理をするとさらに食べやすくなりますよ。

下処理の方法

  1. 尾の方から頭に向けて包丁の先を動かしうろこを取る
  2. 胸びれの付け根の部分に包丁を入れ頭を切り落とす
  3. 腹の部分から尾びれの部分の身を切り落とす
  4. わたを取り除く
  5. キッチンペーパーで水気を拭き取る

下処理ができたら塩を振り、蓋をしてふっくらと焼き上げましょう。

脂の乗ったイワシは、焼いている途中で余分な脂が染み出てくるので拭き取ります。

こうすることで臭みのないすっきりとした味わいに仕上がります。

かます(丸ごと)

かますは水分が多いので水気を拭き取り、皮目に切れ目を入れて塩を振ります。

フライパンにサラダ油を入れ熱し、かますを並べ中火で両面に焼き色を付けます。

そして酒を加えて蓋をし、火が通るまで蒸し焼きにします。

最後に蓋を取り水分を飛ばすように加熱し、ふっくらと焼き上げましょう。

ししゃも(丸ごと)

中火に熱したフライパンに油を引き、ししゃもを入れて蓋をし中火で焼きます。

焼く前にフライパンをしっかりと熱しておくことで、ししゃもが引っ付きにくくなります。

そして片面に焼き色が付いたら裏返し、また蓋をして、全体に火が通るまで中火で蒸し焼きにします。

このように蒸し焼きにすると、ししゃものふっくらとした食感が引き立ち、美味しく仕上がります。

アユ(丸ごと)

アユの尻尾から頭に向かって包丁を動かしうろこを取り、水を張ったボウルの中で洗います。

キッチンペーパー等で水気を軽く拭き取ったら、塩を両面に振ります。

アユは淡水魚なので、ここでしっかり塩を振ることでより美味しくいただけますよ。

中火で熱したフライパンに油を入れ、アユの両面に焼き色が付くまで焼きます。

そして蓋をし弱火で蒸し焼きにしたのちに、蓋を外し中火で焼き上げましょう。

こうすることで、両面をパリッと仕上げることができます。

ホッケ(干物)

熱したフライパンにサラダ油を引き、ホッケの身側を下にして並べ中火で焼きます。

ホッケがフライパンより大きい場合は、縦半分にカットし、頭や尾を切り落としましょう。

焼き色が付いたら裏返し、酒と水を加え、蓋をして中火で蒸し焼きにします。

ここで酒と水を直接ホッケにかけると水っぽくなってしまうので、フライパンの縁を沿うように回し入れます。

こうすることで身がパサつかず、風味もよく仕上がりますよ。

アジ(干物)

フライパンにクッキングシートを敷き、アジの皮目を下にして並べ、中火で焼きます。

腹の部分の油がふつふつとして、身が白く変わってきたら裏返し、裏面も中火で焼きます。

アユを裏返した時点で6~7割程度火が通っているので、返した身には焼き色が付けば十分です。

焼き過ぎると身が締まり、旨味や脂も流れ出してパサついてしまうので注意しましょう。

こうすることでふっくら美味しく焼き上げることができます。

もし冷凍のアジを使う場合は、冷蔵庫でじっくり解凍してから焼き始めるといいでしょう。

常温で一気に解凍してしまうと、その際に出る液体とともに旨味が逃げてしまいます。

また凍ったまま焼くと、中心が焼けず半生のままになってしまう場合もあるので注意が必要です。

さわらの西京焼き(切り身)

さわらに酒を振り寝かせたのちに、キッチンペーパー等で水気を拭き取ります。

酒、みりん、砂糖、白みそを混ぜ合わせて味噌だれを作り、サワラの両面に塗ります。

厚手のキッチンペーパーを被せ、ラップをして冷蔵庫で一晩置きましょう。

冷蔵庫から出し水分を軽く拭き取ったら、フライパンに油を引いて中火で熱し、サワラを入れて焼き色が付くまで弱めの中火で焼きます。

裏返して蓋をし、弱火で蒸し焼きにします。

蓋を開けて弱めの中火で焼き上げます。

こうしてじっくり弱火で焼くことで、焦げ付かず見た目も美しく仕上がりますよ。

赤魚の西京焼き(切り身)

赤魚の両面に塩を振って寝かせたのち、キッチンペーパー等で水気を拭き取ります。

白みそ、みりん、酒を混ぜ合わせて味噌だれを作り、赤魚の両面に塗ります。

厚手のキッチンペーパーを赤魚の上に乗せて押さえ、ぴったりとラップをして冷蔵庫で半日ほど置きましょう。

赤魚を冷蔵庫から出し、味噌だれを拭います。

フライパンにクッキングシートを敷き、盛り付けたときに表になる面から焼き始めます。

焼き色がつくまで弱火で焼いて裏返し、蓋をして火が通るまで蒸し焼きにします。味噌だれは焦げやすいので、ゆっくりと焼くことが美味しく仕上げるポイント。

冷凍の魚をフライパンで焼く場合

切り身や干物の魚の焼き方を紹介してきましたが、冷凍された魚を調理する場合もありますよね。

冷凍の魚は鮮度が保たれ、ある程度日持ちするので、冷凍庫にあるといつでも使えて便利です。

ここでは、冷凍の魚を上手に美味しく食べるための焼き方をお伝えします。

解凍方法

冷凍の魚を凍ったまま調理をすると、水っぽくなったり、生臭くなったりするので、解凍して調理することをおすすめします。

そして解凍方法は、冷凍の魚を美味しく食べるうえで大切なポイントとなります。

「魚を長時間置いていたら赤い液体が染み出てきた」「スーパーで刺身を買ったらトレーに赤い液体が溜まっていた」なんていう経験はありませんか?

この赤い液体の正体は「ドリップ」です。

一見血液のようにも見えますが、ドリップは食品中の組織液で、水分やタンパク質、旨味成分などが含まれています。

魚を解凍する際は、旨味成分を逃がさないためにドリップをできるだけ出さないことが重要です!

これを踏まえて、冷凍の魚を美味しく解凍できる方法を3つ紹介します。

冷蔵庫解凍(3~5時間)

魚をそのまま冷蔵庫に移すだけの簡単な解凍方法です。

氷水解凍と比べ、冷たい冷気の中で解凍するため数時間かかりますが、ドリップもほぼ出さずに美味しく解凍することができます。

氷水解凍(30分~1時間)

氷水に魚を入れて解凍する方法です。

氷水の温度は約1℃なので、魚が凍り始める温度である0℃とほぼ変わりません。

そして、空気より水のほうが熱伝導率が高いため、冷たいまま早く解凍することが可能です。

ドリップもあまり出ないので、旨味を残しながら解凍できます。

このとき水に浸けると旨味が流れ出てしまうので、魚に直接水が触れないよう注意しましょう。

流水解凍(10~20分)

氷水解凍と同様にボウルを用意し、少しずつ水道水を流しながら解凍する方法です。

この方法は飲食店でも使われており、注文が入ったらすぐに解凍できるため採用されています。

水を流し続ける必要がありますが、切り身であれば20分程度で解凍することができます。

魚の解凍方法を海鮮のプロが紹介!時短かつ美味しく食べるための情報満載

フライパンで冷凍の魚を焼く手順

正しく魚を解凍できたら、フライパンで焼いて美味しく食べましょう。

フライパンで冷凍の魚を焼く手順は以下の通りです。

フライパンで冷凍の魚を焼く手順

  1. 解凍した魚の水分をキッチンペーパー等でしっかりと拭き取ります。
  2. 熱したフライパンに油を引きます。もしくは、熱したフライパンにクッキングシートを敷きます。
  3. 魚を皮目から焼き始めます。
  4. 皮に焼き目が付いたら、魚を裏返して裏面も焼きます。
  5. 全体に焼き色がついたら火を弱めて、じっくりと火を通します。
  6. 火が通ったら、好みの調味料(例:塩、醤油、バターなど)を加え味を整えます。

魚は焼き上がると身がほぐれやすくなることがあります。身崩れに注意するとともに、焼き上がりの目安にしましょう。

また味付けは焼き上がり間際に行うことで、焦げるリスクを減らすことができますよ。

魚をフライパンで焼く3つのメリット

ここまでフライパンで魚を焼く方法をお伝えしてきましたが、「そうは言っても、魚を焼くならやっぱりグリルのほうがいいのでは?」と思う方もいるのではないでしょうか。

もちろんグリルでも美味しく焼けますが、フライパンにも嬉しいメリットがたくさんあるので紹介したいと思います。

1、後片付けが簡単

なんといっても、後片付けの手間が少ないことは嬉しいポイントですよね。

グリルは網や受け皿についた焦げ目を洗い落とすだけでも大変で、その後乾かすのにも時間がかかります。

一方で、近年のフライパンはフッ素加工されているものが多いため焦げ付きにくく、汚れを簡単に洗い落とすことができます。

フライパンにクッキングシートを敷いて魚を焼けば、さらに洗い物が楽になりますよ。

2、ふっくら美味しく焼きあがる

フライパンは蓋で密封して焼くことができるので、魚の水分を逃さずふっくらとした食感に仕上げることができます。

またフライパンは、火加減や焼きたい面を自分で調節できるという点でも便利です。

焼き方を調整することで、皮はパリッと身はふっくらと焼き上げることができるのです。

3、煙が少ない

フライパンに乗せて焼くことで、火が脂に直接当たらないため煙があまり出ません。

魚を焼いた際に発生する煙は、魚の油に火がついてしまうのが原因です。フライパンで焼くと煙の発生を抑えられるため、部屋に魚独特の生臭い臭いが充満せずに済みます。

魚を焼くにはどんなフライパンが適している?

ここまで読んでいただき、「早速フライパンで魚を焼いてみよう!」と思っても、手持ちのフライパンで大丈夫なのかと不安に思われるかもしれませんね。

お手持ちのフライパンで魚を焼いていただいて問題ありませんが、おすすめなのは、フッ素樹脂加工やセラミック製のフライパンです。焦げ付きにくく、より美味しく魚を焼くことができるからです。

鉄製やステンレス製のフライパンは、魚を焼くと焦げ付きやすい場合もあるので注意が必要です。

また最近ではグリルパンという、魚を焼くのに適したフライパンがあります。

グリルパンは、焼き面が波型になっており、魚から出た余分な脂を取り除くことで美味しく焼き上げることができます。

まとめ

魚を絶品にするフライパンでの焼き方について紹介しました。

今回紹介した焼き方のコツと注意点を押さえれば、誰でも簡単に自宅で焼き魚を食べることができますよ。自宅で魚を焼いて食べたいけれど、今まで躊躇していた方の助けになれば嬉しいです。

美味しい魚を手軽に食卓に取り入れるなら、水産物商「マルチュウスマイル」の商品もおすすめです。

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