魚を美味しく捌くためには包丁を上手に使い分ける必要があります。魚の大きさや調理方法によって適した包丁を使うことで味に大きな変化が出てくるからです。
しかし、種類がたくさんある包丁の中からどれを選んだら良いか迷ってしまいますよね。
そこで、今回は魚を捌くのに適した包丁や選び方、メンテナンスの方法をご紹介します。
教えるのは150年以上の歴史を誇る水産物商「マルチュウスマイル」。日々魚と向き合っているからこそわかる情報満載です。
一般家庭で使える包丁をお伝えしますので、参考にして早速自宅で挑戦してみてくださいね。
目次
魚を捌く時におすすめする3種類の包丁
魚を捌く時におすすめする包丁は、出刃包丁・刺身包丁・三徳包丁の3つあります。それぞれの特徴をみていきましょう。
1. 魚捌くことを目的にした「出刃包丁」
江戸時代から使われている出刃包丁は刃元に厚みがある日本特有の和包丁。骨を切断することに長けており、魚を捌くことを目的に作られた包丁です。
そのため、
「頭を落とす」
「三枚におろす」
「切り身にする」
など全般に対応することができます。
刃の形状も特徴的で、左右どちらか片側にだけ刃が付いている片刃や、最近では両方についている両刃などがあります。初心者なら両刃だと魚を捌きやすいのでオススメです。
2. 美しい断面にできる「刺身包丁」
刺身包丁はその名の通り刺身を作る時に適しています。細長い刃が特徴であるため、皮を引いたり、薄い切り身にしたい時に活躍します。
お刺身は断面の美しさが重要です。刺身包丁ならではの引き切りによって美しい断面でキレイに仕上がると同時に旨味を逃さないようにすることが魅力。
刺身包丁はプロの場合は刃渡り20cmを超えるものを使用しますが、一般家庭ではそれよりも短い方が使いやすいです。購入の際には20cm以内を目安に探してみましょう。
3. 小さい魚も扱いやすい「三徳包丁」
小さい魚を捌きたい時に出刃包丁を使用すると手元がもたつきやすくなります。そんなときは三徳包丁がオススメです。三徳包丁は日本の家庭で一般的に使われている包丁を指し、サンマやアジなどの魚を捌く時に有効的です。
出刃包丁に比べると重さも軽く、普段から使い慣れている包丁であるため小さい魚でも扱いやすい包丁です。
魚を捌くための包丁を選ぶ4つのポイント
包丁選びは、素材・刃渡りの長さ・柄の素材・握りやすさの4つのポイントをおさえておくことがいいでしょう。
それぞれ具体的に紹介していきます。
1. 素材
【鋼】
鋼の素材は硬く、切れ味は鋭いのが特徴。丁寧に扱うと切れ味は長持ちする反面、錆びやすい面もあるためこまめに水気を拭き取ったり乾かしたりと手入れをしっかりとする必要があります。
【ステンレス】
ステンレス製の包丁は刃に柔軟性があるため欠けにくく、錆びにくいため一般家庭で人気のある素材です。価格帯も幅広く用意されているので、自分に合った包丁が選びやすいのも魅力の一つ。
ただし、あまり安価だと切れ味が悪いときがあるため、購入の際は注意が必要です。
2. 刃渡りの長さ
【出刃包丁】
15cm前後
【刺身包丁】
15〜18cm
【三徳包丁】
20cm以下
刃渡りが長すぎると重量が増え扱いにくくなるため、家庭で使う場合はあまり大きすぎない刃渡りの包丁を選ぶとよいでしょう。
3. 柄の素材
【木製】
木製の柄は使い込むと木の経年変化を味わうことができると共に、手に馴染んで使用感がよくなります。水を使う場所で使用するので、どうしても木は劣化してきますが、最終的には柄の部分だけ交換して長く使うこともできます。
【ステンレス製】
刃と柄が一体に繋がっていることが多いステンレス製の包丁。継ぎ目がないため洗いやすかったり、継ぎ目に汚れが溜まることがないため扱いやすいです。
刃の素材でも紹介したように、錆びにくい特徴もあるため、刃と柄共にステンレスにするとより長く使い続けられます。
4. 握りやすさ
【小判型】
柄の断面が楕円形になっているのが小判型の特徴です。小判型であることで力が入れやすかったり、魚が捌きやすかったりするため、出刃包丁に向いています。
【栗型】
栗型とは、柄の断面の一箇所が尖り、それが栗の形に似ているものを指します。尖っている突起部分に指をかけることで作業がしやすいという魅力があります。
主に刺身包丁に使われている形です。
【八角型】
高価な包丁に使われていることが多い、柄の断面が八角型になっている包丁です。八角形であることから手にフィットしやすく、長年プロの方たちに愛されています。
美味しく処理するための包丁のお手入れの仕方
包丁のお手入れは、研ぐことが基本です。切れ味を何度も回復させてくれるのでメンテナンスも大切にしましょう。
1. プロに頼んでアフターサービスを利用する
包丁は自分で研ぐこともできますが、どうしても慣れていなければキレイに研ぐことは難しいです。購入の際にアフターサービスがついているメーカーにすることで定期的に専門家のメンテナンスを受けられます。
プロによるメンテナンスは購入時さながらの切れ味に戻せるため、調理の際もよりスムーズにできます。
2. 自宅で包丁を研ぐ
プロのクオリティとまではいきませんが、自宅で研いで切れ味をある程度蘇らせることも可能です。
- 研ぎ石に水をかける
天然砥石の場合は研ぐ直前に表面に水をかけ、人工の場合は研ぐ30分前から水に浸しておきましょう。研ぎ石が乾いてきたら少しずつ水滴を加え、乾燥を防ぎます。 - 研ぎ石の正面まっすぐに立つ
研ぎ石に対して真っ直ぐ立つことを意識します。これにより、力加減にムラができにくく、刃の仕上がりもキレイになります。 - 押すときだけ力を入れる
包丁を研ぐ時は常に力を入れてしまいがちですが、引く時は力を抜いて作業します。研ぎ石と刃の角度がブレてしまうからです。一方のみに力を入れた方が研ぎやすい角度になることを覚えておきましょう。 - 研ぎ石に対して鋭角に刃の先端を研ぐ
刃の先端部分は丸みがあるため、角度をつけて研ぎます。刃の先端と研ぎ石が水平に密着しながら研ぐように意識してみてください。
まとめ
今回は、魚を捌く時に適した包丁の種類や選び方、お手入れ方法などを紹介しました。
包丁と言えど種類は様々。より美味しく、美しく魚を食べれるよう、魚の種類や調理方法に合わせた包丁を使って捌いてみてください。
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