水産物商が語る子どもの魚離れの現状とは?その原因・解消方法

水産物商が語る子どもの魚離れの現状とは?その原因・解消方法

日本では子どもの魚離れが嘆かれている昨今、家庭でも子どもや旦那さんまでも魚料理を敬遠する人もいるのではないでしょうか?魚離れが加速すると日本の食文化において様々な問題が懸念されています。

そこで今回は150年以上続く名古屋の水産物商「マルチュウスマイル」が魚離れの現状をお伝えし、その原因や解消方法をご紹介していきます。

進む「魚離れ」の現状

魚離れはデータにおいても明らかになっており魚介類の一人当たりの消費量が減少傾向にあります。

食用魚介類及び肉類の1人1年当たりの消費量(純食料)

食用魚介類及び肉類の1人1年当たりの消費量(純食料)
資料:農林水産省「食料需給表」のエクセルデータを元に作成

農林水産省の「食用魚介類及び肉類の1人1年当たりの消費量(純食料)」によると魚介類は、2001年の40kg/人をピークに減少しており、2015年には25kg/人と半数近く消費量が減っていることが分かります。

2010年には肉類と数値が同じになり、そこから肉類の消費量の方が上昇している状態です。

年齢別の魚介類摂取量のデータにおいても魚離れが進んでいることが分かります。

年齢階層別の魚介類の1人1日当たりの摂取量

年齢階層別の魚介類の1人1日当たりの摂取量
資料:農林水産省「食料需給表」のエクセルデータを元に作成

若年齢ほど摂取量自体が少なく、全体として平成20年から28年にかけて摂取量が減少しています。

その中でも「40〜49歳」「50〜59歳」「60〜69歳」のグラフでは減少が著しく、子どもが魚介類を食べる機会が減っている原因の一つと言えるかもしれません。

魚離れが起こる5つの原因

魚離れが起こる5つの原因

1、食べるのが面倒臭い

ほとんどの魚は小骨が多く、魚を口にするたびに小骨を取り除くことが面倒臭いと感じる人も少なくありません。

魚のキレイな食べ方も気にする人もおり、上手に食べられないため人前で魚を食べることに抵抗を感じる人もいます。

2、調理の手間がかかる

最近ではフライパンで焼くだけの簡単な魚料理や切り身で販売されているなど、魚の調理のハードルは下がってきています。それでも生の魚を手に入れたら2枚や3枚におろしたり、鱗の下処理、ぬめりとりなど準備段階にどうしても時間がかかってしまいますよね。

共働きで毎日忙しい夫婦で料理をしているとどうしてもこのような作業が負担になり魚離れに繋がる要因にもなり得ます。

3、生臭さに抵抗がある

魚は特有の生臭さがあり、大人もさることながら子どもも抵抗がある傾向にあります。魚離れの代表的な例としてあげられることも多いでしょう。

子供の頃にその経験をしてしまうと大人になっても「魚は生臭い」と言うイメージが拭えず魚を日常的に食べる環境から遠ざかってしまうかもしれませんね。

4、お肉の方が低価格で手に入る

豚肉や鶏肉とお魚を比べると重さを考えると肉の方が圧倒的に価格は安く、食べた時の満腹感も感じやすいです。食料品の高騰が話題になっている昨今、価格が高い魚に手を出しづらい家庭も多いかもしれません。

5、女性の社会進出

共働き夫婦が増え、専業主婦として料理にゆっくりと時間をかける家庭は少なくなっています。外食が増えたり、簡単で手軽な料理を作ったりと手間のかかる魚料理が必然的に減っていきます。

魚離れが続くと日本はどうなっていくのか3つの未来

魚離れが続くと日本はどうなっていくのか3つの未来

1、漁業・鮮魚店の縮小

魚離れが続くと必然的に魚を販売する関係者に影響が出てきます。日本の食文化を支えてきた漁業は縮小し、商店街の鮮魚店は縮小や閉店に追い込まれていきます。

実際にスーパーでは安く新鮮な魚が販売されており、24時間営業されているスーパーも多いため気軽に買い物に行けるため鮮魚店にわざわざ足を運ぶ人が減ってきています。

2、箸を正しく使えない子どもの増加

箸で食事をしている民族は世界中で日本人だけと言われています。しかし、洋食文化の増加に併せて魚離れも増え、箸を使う機会が減り、子どもが正しく箸を使えない問題が発生します。

日本の繊細な箸文化が思いがけないところで低迷・消滅していってしまうのでしょうか。

3、食文化の崩壊

食文化の「崩壊」と言うと少し大袈裟かもしれませんが、数十年前と比べると魚料理のファーストフード化が急上昇しているのは事実です。

学研教育総合研究所(2011年12月調査)によると、小学生の好きな食べ物1位にはお寿司がランクインし、回転寿司によるお寿司への敷居の低さや安くて美味しくお寿司を食べられることにより人気が上昇しています。

これにより魚料理のファーストフード化が進んでいると言えます。

逆に嫌いな料理の1位は焼き魚と言う結果に。

同じ魚料理でも調理方法で人気度が大きく変わってきてしまうのは、より簡単に食べれることを好む現代的な食文化の傾向であり、従来の食文化が崩壊してきている兆候なのかもしれません。

魚を食べる3つのメリット

魚を食べる3つのメリット

1、成人病を予防できる

青魚に多く含まれているEPA(エイコサペンタエン酸)はコレステロールや脂肪を減らす働きをしてくれるため、血流を良くし、動脈硬化や心筋梗塞などをはじめとした成人病を予防することができます。

2、カルシウムが多いので骨が丈夫に

カルシウムと言うと牛乳などの乳製品を思い浮かべる人も多いと思いますが、魚にも多量のカルシウムが含まれています。カルシウムは歯や骨を丈夫にする働きがあり、精神的な安定や病原菌の抵抗力にも効果的です。にぼしや小魚などは骨も一緒に食べられカルシウムを摂取しやすいので、魚が苦手な人はまずは小さい魚から挑戦してみることをオススメします。

3、脳の動きの活性化に繋がる

「お魚を食べないと頭が良くならないよ!」

小さい時お母さんからこんなことを言われませんでしたか?

これは実は理に適っており、人間の脳細胞を作る栄養素DHA(ドコサヘキサエン酸)が関係しています。DHAは青魚に特に多く含まれており、脳の働きを活発にする助けをします、記憶力や学習能力を高めるのにも効果的なため、小さいときだけではなく物忘れが増えてくる中年期以降に摂取することも非常に大切です。

魚離れを解消する3つの方法

魚離れを解消する3つの方法

1、魚の加工食品を家庭で取り入れる

全国的に急に魚離れを解消するのはスケールがとても大きく、壮大な計画なので、まずは家庭の中、子どもの魚離れを解消・予防をオススメします。

しかし、共働きで料理にじっくり時間をかけれない家庭も多いでしょう。

そんなときは魚料理の加工食品に頼ってみてください。鮭の切り身なら解凍だけすればあとはフライパンで火を通すだけだったり、鯖の味噌煮の缶詰なら缶を開けて小鉢に出せば出来上がりです。骨なしの加工品も多いので骨を取り除く手間も省けます。最近の加工食品は添加物も少なく、魚の栄養を簡単に取り入れられるのでまずは簡単な加工食品から取り入れてみてはどうでしょう?

2、子どもに食育で魚の大切さを教える

子どもの魚離れを解消・予防するには、まずは魚に興味を持ってもらうことが大切です。そのために食育から始めてみましょう。

食育とは、「食」に関する知識を身につけることによって食事への感謝や食事へのマナーなどの社会性を養い、心身を健康へと導きます。同時に、心の豊かさや想像力、広い視野で物事を捉える力も身につけることができるため、食だけではなく生活全体に影響を与えられます。

  • 魚はどこからくるのか
  • なぜ魚を食べるのか
  • 魚を食べないとどうなるのか

など魚に対する重要性や大切さを伝えていくことで魚料理に興味を持ってもらえるかもしれません。

3、鮮度の高い魚を食卓に出す

魚離れの原因の一つとして「生臭さ」を紹介しましたが、鮮度の高い魚は比較的生臭さは少なく、食べやすいです。スーパーによっては鮮魚を購入できますが、最近では通販で質の高い鮮魚を手に入れられます。

価格は少し高いかもしれませんが、それ以上に魚離れを解消できたり、本当の美味しい魚に出会える喜びには変えられません。

まとめ

今回は日本の魚離れについてご紹介しました。

洋食や簡単に調理できる食材で溢れる昨今、魚をじっくり焼いたり、ゆっくり小骨を取りながら食事を楽しむ時間が減ってきているかもしれません。しかし、子どもの魚離れを防ぐためにも食育に取り組んだり、食事への工夫で豊かな魚料理の食事を楽しんでもらいたいですね♪

鮮度の高い魚をお求めの際にはマルチュウスマイルの通販をご利用ください。

長年厳選した魚介類を販売している丸忠商店が手がけるマルチュウスマイルの商品は、新鮮さ、美味しさはもちろんのこと、安心もお届けしています。

商品一覧へ